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日常生活(ブログ)

理学療法学科

今自分に出来ること

東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになった皆様のご冥福を心より祈念致しますと共に、被災地の復興と被災されました皆様に当たり前の日常が一日でも早く戻りますことを願っております。

近年、チリ、スマトラ、カンタベリー、四川等、世界中で毎年のように地震が発生しています。
日本でも震度6以上の地震は、ここ十数年頻繁に発生しており、各地に大きな傷跡を残しています。
中でも阪神淡路大震災は自分自身が被災したこともあり、忘れられない記憶として、体感を伴って覚えています。

阪神淡路大震災において、私の自宅はものの見事に全壊しました。
自宅のすぐ近くには新幹線の高架があったのですが、鉄筋コンクリート製の高架は崩れ落ち、線路がつり橋状態でぶら下がっていました。

一月二月の凍える寒さの中、予測の付かない余震を気にしながら、壁もなく、窓も閉まらず、辛うじて家の形を保っていた家で生活していました。
夜になっても街灯は点かず、月明かりも星明りもない街中の夜には一条の光もありません。田舎で過ごした夜よりも、闇が深く濃かったように思います。
当たり前の生活が当たり前ではなく、当たり前の生活が凄く貴重なのだということは、ある程度生活が落ち着いてから、ようやく気付くことが出来ました。
普段はあまり交流のない近所の人、友人、知人、親戚一同と、今までにないくらい話をしました。
「お皿を洗わなくて済むように、お皿にサランラップとかビニルを被せて使う」というアイデアは、顔を知っているだけだった近所のおばあちゃんから教えて貰いました。
給水車まで水を貰いに行く時、コロコロの付いた蓋付き衣装ケースに給水車から水を配給して貰い、蓋の上に水の入ったポリタンクを載せて、ご近所の分も一緒に水を運びました。
知らない人同士でも、誰かが誰かを気遣って手を差し伸べ、出来る人が出来ることを懸命に頑張っていました。
あの時ほど、人同士の繋がりを感じたことはかつてなかったように思います。

今回の地震の発生以来、ACジャパンのCMで毎日のように応援のメッセージが流れていますが、中でも非常に印象的な詩があります。

思いは誰にも見えないけれど、思い遣りは見える。心は見えないけれど、心遣いは誰にでも見える

『行為の意味』という宮沢章二さんの詩集を元にした言葉です。
その詩は、こんな風に続いています。

あたたかい心があたたかい行為になり
 やさしい思いがやさしい行為になるとき
 心も思いも初めて美しく生きる
 それは人が人として生きることだ

日本中が、世界中が、人種や年齢や性別に関係なく、一人の「人」として被災された皆さんに手を差し伸べようとしています。
「日本中が一つのチーム」だというサッカー選手の言葉のように、「人は仲間に支えられることで、大きな困難を乗り越えることができる」という選抜高校野球の選手宣誓のように、一人じゃない温もりを感じて、信じて、他の誰でもない自分が、今自分に出来ることを積極的にしていきませんか?

「電車で席を譲らなくても、被災地には関係ない」と思い遣りを躊躇わないでください。
席を譲られた人が、「嬉しいことがあったから」とお買い物のおつりを募金してくれるかもしれないでしょう?

「今自分が勉強しなくても、被災地には関係ない」と頑張ることを放棄しないでください。
将来、被災地の人や土地に対して、自分が勉強してきたことが役に立つかもしれないでしょう?

今の被災地には直接関われなくても、今自分がした何かは、いつかどこかの何かで生きてきます。
色々なところで、目に見えない何かが連鎖し、関わりあっています。
誰かの心の琴線に触れた思いは、広く豊かに、波紋のように、たった一点からでも大きく広がっていくものだと思います。

ほんの少しの勇気を持って、手を伸ばしてください。
ちょっとだけ立ち止まって、人の立場を思い遣り、心を添わせてください。
迷っているその一歩を踏み出してください。
泣いたり、笑ったり、悩んだり、考えたり出来る、素の自分に自信を持ってください。
一人じゃ出来ない色々なこと、何かが出来る貴方がいます

今自分に出来ることは何ですか?
一人一つずつでも、十人では十のことが、百人では百のことが出来ます。
日本中全ての人が一つずつ、世界中全ての人が一つずつ、今の自分に出来ることをしていけば、それは六十九億もの大きな力となります。

「1」は「0」ではなく、どんな些細なことでも「何かをすること」は「無意味なこと」と同義ではありません。
一人一人が出来ることを模索して、出来ることから実行していきましょう!

誰でも笑顔をつくれます
誰でも幸せを運べます

六十九億分の一の、ごく普通の力
それが今、必要とされています

今日、3期生の国試の結果が発表になりました。
試験に合格した3期生の皆さんは医療に携わる資格を得て、昨日まで出来なかったことが出来るようになります。
これからは同じ社会人として、今の自分に慢心することなく、一歩先の自分を目指して、一緒に成長していこうね!

また、全国的にも難しかったらしい今回の試験で、あともう一歩が届かなかった3期生も、今年1年一緒に頑張って、来年こそは現場に出れる資格を掴み取ろう!

大丈夫!
ちゃんと頑張れる!

それぞれの道を一歩一歩成長しながら歩む皆を信じています。

                              2011.3.31 理学事務 C

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