暑い日が続いていましたが、手のひらを返したように急に寒くなりました。
こんなに急に寒くなると、「風邪をひきそう」と思ってしまいますが、いわゆる「身体が冷えると風邪をひく」は根拠があるのでしょうか。
調べてみると「寒くなると風邪をひく」と言われる要因は、いくつかありそうです。
【ウイルス側の要因】
①乾燥した状態を好むウイルスがいる
いわゆる風邪といわれるものは、ライノウイルスはじめRSウイルス、インフルエンザウイルスといったウイルスがあげられますが、主に秋から冬に流行するといわれています。(夏場にインフルエンザにかかった人もいますので、例外もあるとは思いますが)基本的にそれらのウイルスは、気温が15℃以下になると活動的になるといわれています。細胞自体乾燥に強く、また、湿度も低いと空気中に浮遊しやすくなるといわれています。
【人間側の要因】
➁外気温が低いと免疫反応が弱くなる(ウイルスが侵入しやすい状態となる)
外気温が低いと、吸い込んだ空気が上気道で十分加湿・加温されずに、肺まで届くことになり、肺の免疫力が低下してしまいます。免疫細胞はじめ、我々の身体の細胞は体温が低下すると働きが鈍るといわれています。また冬場は湿度が低く上気道の粘液も減るため免疫物質(IgA抗体)も減るため、ウイルスが侵入しやすい環境をつくってしまっているかもしれません。
③季節の変わり目は気温・気圧の変動が大きく自律神経の乱れから、免疫力が低下しやすい
自律神経は、身体の内部の環境を調整する役割を果たしています。免疫力が高い人の体内では、自律神経により白血球全体の54~60%が顆粒球、35~41%がリンパ球という比率が保たれています。自律神経系が乱れるとこのバランスが崩れ感染症にかかりやすくなる可能性があります。
こうした要因をみていると「寒くなると風邪をひく」「冷えは万病のもと」は、決して根拠のない迷信ではないようです。現代人は平熱が低いと言われていますが、体温が1℃あがると免疫力は5~6倍と言われています。一日一回は「運動」や「入浴」などで体温をあげ、この冬を乗り切っていけたらいいですね。