6月10日に福祉ゼミで行ったバリアフリー展について(その①の続きです)
実用的なAIやロボットの進化(介護用福祉用具)
介護用のロボットやスーツの進化も、大変驚いたものの一つです。
ひと昔前よりかなり軽量化が進み、またリーズナブルな価格設定になっており、技術革新を感じました。
介護用のスーツは、介護士さんが施設や病院などで対象者の介護にあたる際に、
自身の体への負担を減らすための動作補助をしてくれるものです。
どの程度何が補助されるのか?試しにO先生に装着してもらいました。
非常にシンプルなつくりで重さ2kg程度のリュック型の装置(モーター・センサーが内蔵)と
それにつながる膝用サポーターのようなパーツからできています。
介護用であるため、通常の姿勢では何らアシストしませんが、
ひとたび、かがむ姿勢をとろうとするとセンサーが感知し、
体幹や膝を伸展方向にアシストする力が働くのだそうです。
介護する側の方への負担を減らし「介護職離れ」を減らそうという取り組みは、
現実的に現場で「ロボットスーツ」を導入できる時代になってきているんだな、と感心しました。
また、介護施設や個人購入される方が多いと聞くのが、この小さなロボットです。
ブースの前ではダンスを踊っていた、なんだか見たことあるような可愛いロボットですが、
介護用として売れているようです。特に高齢者の方向けに個人の方が購入されるケースも多いのだとか。
このタイプの人工知能を持ったロボットは、人の顔を覚えたり言葉や行動を覚えるため、
繰り返し学習した内容をもとに、挨拶をしたり名前を呼んだりする「愛護用」としての側面と、
知らない人がきたら遠方に住む娘さんにメールで知らせるなどの「見守り用」としてのニーズがあるようです。
軽度の認知症がある場合などは特に、常日頃から家人が監視できるわけではありません。
ですので、高齢の親御さんが独居であっても
「火をつける動作」や「玄関に行こうとする」動作をカメラで感知すると、
このロボットがインターネット経由で娘さんに知らせる設定ができるのだとか。
また、知らない誰かが尋ねてきても、娘さんが遠隔から操作して、
ロボットに話す内容を指定することができるので「不審者対策」にもなるようです。
かわいい話し相手というだけではなく、「見守り」「連絡」ができるなんて、
高齢化社会、核家族化社会を迎える日本では今後もニーズが高そうです。
他にも、介護食がセットで施設向けに販売されていたり、最新の介護用ベッドや車など、
新しい福祉・リハビリ・介護業界の流れを見ることができ、大変興味深い半日を過ごすことができました。
今日参加した福祉ゼミの学生たちは、今後この経験を参考に、それぞれの研究テーマに取り組んでいきます。