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2019.06.08
陸上/サニブラウン選手が記録を更新する理由は学力向上に活かせる?

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム選手が(日本時間6/8)全米大学選手権で日本人初となる公認記録で2度目の9秒台をマークした。

「日本人が短距離競技で10秒台をきる時代がとうとう来た!」と大きく取り上げられ、東京オリンピックに向けてスポーツ全般の盛り上がりに追い風がふいている。スポーツ科学分野や動作解析など、科学やテクノロジーの進歩が目まぐるしく起こる中で、これからも日本人のみならず、ヒトの身体機能(競技記録)は今後も(ある程度のところまで)更新されていくことだろう。

 

 

今回はサニブラウン選手が「なぜ?ここ最近記録をどんどん伸ばしているのか?」について、科学やテクノロジーではない視点でふと考えていると、学生の学力向上のヒントに繋がった?ので、漫然と文章に起こしてみる。

 

サニブラウン選手は、ガーナ人の父と日本人の母を両親に持つ。父親はガーナのサッカー選手、母親は100mハードルで高校総体に出場するなどアスリート一家である。中学からはスポーツ名門高に進学し、クラブ顧問(元日本代表・シドニーオリンピック出場)の指導を受けるようになった。高校1年時100mを10秒45で走り高校総体優勝するなど、高校時代から注目される選手であった。そして、高校卒業後アメリカで3番目に大きい(らしい)フロリダ大学に進学し、陸上大国アメリカ本場の指導を受け、今回の記録更新につながっている。

「ガーナ人と日本人のハーフ」「もともと運動能力が高いのでは?」「DNAが違う?」などなど、経歴をみると生まれもった才能があると感じてしまうのは当然だ。しかし個人的には、このアメリカ留学が好影響をもたらしているキーポイントではないかと感じる。それは、アメリカの最先端科学に基づいた指導を受けているということに加えて、単純に「毎日速いアメリカ人選手と一緒に走っていること」が大きな要因の一つになっているのではないか?と考えた。

私の身近に、小学3年生と1年生のかわいい兄弟がいる。この兄弟は、この時代に珍しくいつも公園で飛び回って遊んでいる。弟は小さいころから運動が苦手で保育園でも運動ができないグループにカテゴライズされていた。2人で遊ぶともちろんお兄ちゃんの方が(弟に比べ)運動能力は高く、何をしても弟は兄に負けてへそを曲げ家に帰る。それを親が見ると、「お兄ちゃんは運動能力が高く弟は運動能力が低い」と、無意識のうちに決めつけてしまう。(もちろん年の差を考慮するが、毎日毎日同じ現象をみると人は無意識のうちにそう思ってしまうのかもしれない)。弟自身も運動に対する苦手意識が芽生え始めていた。けれども、弟が小学1年生になると運動会のかけっこでは1番をとり、クラスでは運動能力が高いグループにカテゴライズされているようだ。

「小学校中学年までの運動能力は、他の能力と比べて伸びる時期である」というスキャモンの発育曲線理論がある。この時期に、いつも自分より少し出来る兄と一緒に体を動かすことが、弟の運動発育を伸ばしているのだろう。よくある話ではあるが、これと似た同じ現象がサニブラウン選手にも起こっているのではないかと感じる。アメリカでは、9秒台の選手がゴロゴロいる。毎日毎日、いろんな練習メニューを自分より少し出来る選手と一緒に熟すこと自体が、彼の身体能力をどんどん上げていっている一つの要因となっているのだろう。

さて、学力の話。「いつも自分より少し出来る」に何度もアンダーラインが引かれているので、察しはついていると思うが、勉強も同じことがいえるのではないか?

理学療法に関する基礎医学の分野は、数百ある筋肉や骨の名前を覚えて、機能を理解して、全身の構造・機能を理解する。やれば必ず出来る内容である。では、この能力を伸ばすには?自分より少し出来るパートナーと一緒に勉強することが、学力向上につながるのではないかと感じる。

国家試験の学習は、個人学習とグループ学習を並行して行うことがセオリーとされている。グループのわずかな個体差(少し出来る?少し出来ない?差)が、総合的なレベルアップにつながるからであろう。

勉強には色んな方法がある。努力は必須であるが、勉強する環境(誰と勉強するか?)を考えるのも大切だ。

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