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2018.04.24
もやもや病について③

今回は、もやもや血管(異常側副血管)が発達する子供と発達しない子供の違いと臨床症状の違いについて説明します。

もやもや病の初発発症は早い子供で0歳から発症し7~10歳で第一のピ-クを迎えます。第二のピ-クは35歳以降の成人期です。この傾向は統計上明確となっています。

もやもや病は基本的に脳の虚血病変ですが、特に第二のピ-ク発症の成人はたくさんのもやもや血管(側副血行路)が乳幼児期より発達し、症状がでなかったものと考えられています。しかし、第一のピ-クに含まれる乳幼児はもやもや血管の発達が悪く、脳虚血または脳梗塞で急性発症します。

 

その原因は未だに解明されていなく、初期症状に留意し、早期発見が第一義となっています。

ここでは大切な病態と諸症状、用語解説をします。

1)TIA(一過性脳虚血発作)

血管狭窄等によって大脳表層への血液供給が、一時的に滞ることで軽度のしびれ(特に顔面・四肢)、四肢顔面の脱力、頭痛、体の筋肉がピクピクと勝手に動く不随運動(軽度のけいれん)、視野狭窄など。軽度の子供は数秒でこの症状が消失するので異変に気付かないことも多いです。

TIA発作の怖いところは、こうした発作を繰り返すうちに徐々に脳梗塞に陥る事です。抗血小板などの薬で改善することも多いが、根本的な改善にはつながりません。

2)過呼吸

TIA発作は過呼吸(熱い食べ物をフ-フ-する、風船を膨らます、ピアニカやリコ-ダ-を吹く等の行為)で誘発されます。

 

次回は治療法について説明します。

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