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2022.06.29
インプット、アウトプットの黄金比率

こんにちは、柔道整復学科のアオキです。
今から20年ほど前、まだ治療家&トレーナーとして仕事をしていた頃、履正社の学科長から「青木、履正社の柔道整復学科で講座を持ってみないか?」とお誘いをいただきました。
「何の科目ですか?」と尋ねたところ、「生理学の国家試験対策」と返答をいただき、少し躊躇しました。なぜなら“生理学”は自分自身が特に苦手とする科目だったからです。
“生理学”はヒトの身体の機能を学ぶ学問です。心臓にはどのような働きがあるのか、肝臓は何をしているのか、ホルモンとは何かなど、目に見えず抽象的なものも多く、たくさんの学生が苦手と訴えます。最初はこの仕事を受けるかどうか悩みました。
患者さんや選手の治療を進める際に、筋肉や骨だけでなく、いろいろな身体のメカニズムを説明する場面はよくあります。当時、自分の頭では理解していても説明力の無さでうまく伝わらず、患者さんを納得させることができないことがしばしばありました。そこで、学生の授業を担当することになったら、より深く知識を習得するために必死に勉強するだろうし、なによりも学生に分かりやすく説明するために苦労をすることが自分のアウトプット能力を向上させることにつながるだろうと考え、教壇に立つことを決めました。
治療における説明力アップのために受けた仕事でしたが、経験を繰り返す中で自信もつき、いつの間にやら教員として十数年も続けています(笑)

さて、勉強方法には大きく分けて2種類あります。1つは、読書や暗記、講義を受けるなど「インプット型」の勉強。もう1つは、知識を人に説明したり、読書内容をレポートにまとめたり、問題を解いたりする「アウトプット型」の勉強です。

学校の授業は、ひたすら講義を聞いたり、教科書を読んだりするインプット型のものが多いかもしれません。しかし、インプット型の勉強法だけでは学んだ内容を記憶できないと言われています。脳はインプットした情報のうち「使用した情報」のみを記憶にとどめようとするからです。しっかり記憶するためには、「聞く」「読む」などインプットした情報を「話す」「書く」など使用する(アウトプットする)ことが必要と言えます。
インプットとアウトプットの勉強比率はどれくらいがいいのでしょうか?

脳科学にも詳しい精神科医の樺沢紫苑先生は著書「学びを結果に変える アウトプット大全」(サンクチュアリ出版)の中で、「インプットが3に対してアウトプットが7」が記憶を最も効率化する黄金比率として紹介されています。(コロンビア大学心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験をもとに)

たとえば教科書を3時間読書したら、7時間は誰かに説明をしたり、ノートにまとめたり、問題を解いたりすると記憶が定着しやすいということです。自分の授業も教壇に立ちだした頃と違って、近年ではアウトプットを重視したものに変えています。

治療家やトレーナーは、患者や選手の能力に合わせて、相手が理解しやすいように説明することはとても大事です。本などを読んでわかったつもりになっていても、説明が相手に伝わらなければ意味がありません。自分自身が過去の体験の中ですごく実感しています。
治療家やトレーナーにとって、記憶の定着のためだけでなく、アウトプット能力を磨くことは大切だと思います。
ぜひ、アウトプットを意識した勉強法を試してみてくださいね。

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