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日常生活(ブログ)

柔道整復学科

超音波エコーってなに?後編

前回に引き続き、後編です。

Q4・柔道整復領域で使用する超音波観察装置はどのようなもの?何か違うの?

超音波検査では、数MHz~十数MHzの周波数を使用し体内を検査します。

表層に近く浅い部位は7.5MHz~18MHzの高い周波数を使用し、臓器などの深部を検査する場合は2.5MHz~6MHzの低い周波数を使用します。

これは超音波の減衰という特徴によるものです。

減衰とは超音波が生体内を進むにつれて音圧が減少します。

この超音波の伝搬に伴う音波の振幅低下を減衰といいます。周波数が高いほど、減衰が大きく深部が観察しにくいですが、表層の画像はより鮮明に描出できます。

よって我々柔道整復師が使用するのは高周波数の超音波を選択するということになります。

Q5・柔道整復師が超音波を扱うことは法的には問題はないの?
平成22年12月の厚生労働省の通知では、施術所内での使用は法令上問題ないと明記されています。

ただし診療の補助として使用することはできないとも記されています。

これは病院等で勤務している柔道整復師がドクターの指示で超音波検査を行うことは診療の補助となるのでだめです、ということです。

我々、柔道整復師は施術所内で運動器に対してのみ超音波検査ができます。

この約束事を必ず守らなければなりません。

それを踏まえて来院される患者さんの症状の原因追及のため、問診視診触診徒手検査のほかに超音波検査を3診の参考として行っています。

Q6・昔と今の超音波エコーってどのように違うの?

今から20数年前に柔道整復師の業界に超音波画像観察装置が現れました。

その当時はアナログ機で画像描出の精度は低く、主に骨折の判断に使用していました。

それが今や機器はデジタル化され高周波プローブが可能となり、画像フィルター技術の進歩によりノイズが大幅に軽減され、描出される画像は繊細で鮮明なものとなりました。その表面分解能力はMRIを凌駕するほどです。しかもほかの検査機器に比べて安価であることも魅力です。

Q7・なぜ今、超音波が必要なの?

超音波の魅力をまとめますと、
① 原因究明に役立つ
② 骨だけでなく軟部組織の評価が可能
③ デジタル化され分解能力が高い
④ 動的検査が可能
⑤ 血流評価が可能
⑥ 非侵襲
⑦ 簡便に行える
⑧ 院外への持ち出しも可能(機器による)
⑨ 患者さんとともに病態の理解が深められる

などがあげられます。

今までは問診視診触診の3診と徒手検査により病態を推測し施術していたといえますが、超音波観察を施行することにより病態を視覚化できるようになり、その病態に合わせた施術法を行えることができます。

また、病態の経過観察を行うことで施術に対してより正確なアプローチが可能となり、より早く、より的確に治癒に導くことができます。

施術の根拠を可視化することによりエビデンスが確立されると思います。

Q8・超音波エコーの画像はどのように読影するの?

運動器の超音波画像は通常Bモードで表示されます。

Bモードとは基本の白黒画像です。

超音波観察ではプローブを観察対象に当てますが、描出される画像は当てた側から見たものではなく横から見た画像が描出されます。プローブをナイフとすると、ナイフで切った断面図を表示しているということです。

下記の写真は、フルーツゼリーを超音波で観察したものです。プローブはゼリーの上から当てていますが、描出される画像は横から見たものとなります。

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