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日常生活(ブログ)

柔道整復学科

表記の順列は意識の表れ

こんにちは、学科長田中です。

JR大阪駅をよく使いますが、車内のアナウンスや乗り換え表記で
『次は大阪です。大阪環状線、地下鉄線(公共交通)、阪急阪神線はお乗り換えです』
車内に掲示してある乗り換え案内の表記にも『環状線、御堂筋線、阪急阪神線』とあります。

意識すると、どこの駅でもライバル企業(電車)の表記は最後。
日ごろよく耳にする言葉にも
“日米韓3か国”
とか
“国数英理社5科目”
“医師、看護師、薬剤師、検査職、リハ職、その他の医療職種”

なんていう表記も使われている。
様々な理由や意味があるにせよ、別に順列はどうでもいいこと、しかしまかり通っている。

意識されて使われているのだ。

わが業界に目を向けると、接骨院の看板表記の変化で、私の記憶(20年前頃)では、
(※高校生、一般の方が理解しやすいように今回は診療と表記します)
診療科目『骨折、脱臼、ねんざ、、、』と接骨院の看板や玄関正面に広告していました。
母も接骨院を開業していましたので、もちろん院入り口には『骨折、脱臼、、、』でした。今思うとそれ以外の診療科目(スポーツ障害も)はほとんどなかったように思います。

しかし、ここ20年前から『腰痛、膝痛、頸痛、肩こり』が増えだして、まだこの表記なら我慢できるのですが、『リラクゼーション、倦怠感、だるさ、自費診療可』特に実費診療の記載が多くなって、標記の中には骨折脱臼ねんざという文字はありません。
あったとしても、最後に小さく、骨折ねんざ、、、とある程度です。最後尾にしか記載しない、自信のなさの表れですね。(うちの卒業生はスポーツ障害と記載する人多いですが)

本来、接骨院で扱う自費診療科目は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉離れで早期回復や治癒、特別に長時間治療を受けたいとか、もしくはその予防のため、月間の保険扱いの頻度以上や、長期期間で患者が希望するケースなどで実費徴収として扱うのが本来の姿でしょう。

(接骨院での実費徴収についての考えは、公益社団東京都柔道整復師会からも同様の内容が発信されています)

本題から外れていますが、言いたいのはきちんとした外傷診療の臨床研修を積まずに、楽して安易に身につく慰安療法に走り、実費ならなりふり構わずなんでもやる、という姿勢が、接骨院の診療科目がわからなくなり、何の店か得体のしれない存在のイメージを与えることになったのです。患者の希望があっても接骨院内でやるべきではないと私は考えます。島根県にある実習施設の接骨院は玄関入ると、左の部屋が接骨院、右の部屋が整体院として区分けして施術をしています。

国民に向け、骨折、脱臼、捻挫、打撲、肉離れのケガ(スポーツのケガを含む)に対して、自然治癒力を高める接骨医療であることをきちんと※広告宣伝し、何が強みの医療かあらためてわかってもらうことです。
自信をもって、ケガを優先表記をし、レントゲンを使わなくてもケガの程度がおおよそ判明できる。手術適用か否かの判断困難な症例に対しても、保存療法を優先し、自然治癒力で治す。医療費削減を含めても、これからの社会や世代が要請する姿です。

自信をもって接骨院の診療科目に『骨折、脱臼、ねんざ、打撲、肉離れ、スポーツ障害』などと表記すべきです。
言い換えれば、表記の順列を見ると接骨院の品質が推測できます。

周りの接骨院の看板を研究してください。そんな目でみると院長の人柄もわかりますよ。

※柔道整復師法には広告規制があり、法律によって表記できる内容は制限されています。今回は、ブログ一般閲覧者が理解しやすいようにこのように表記しましたが、詳しくは柔道整復師法第24条を参照してください。

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