CLOSE

BLOG

日常生活(ブログ)

外国語学科

ラグビー日本代表通訳業務②

スポーツ外国語学科佐藤学科長が、ラグビー日本代表の国際試合のサポートスタッフとしてチームに帯同した際の業務について、いろいろと聞いてみました。

前回の【ラグビー日本代表通訳業務①】をまだ読んでいない方は、7月8日のブログも読んでみてくださいね。

②7月2日(土)は試合は15時からでしたが、その日の試合前までは、どのような業務がありますか?

試合当日の朝に全スタッフが集まり、シンビンミーティングという会議が行われます。

シンビンとはラグビーの試合でイエローカードの事を指します。Sin罪binゴミ箱です。10分間の退場になるので、その間選手はサイドラインに設置されている椅子に座って待機します。

話を戻します。

このシンビンミーティングでは、イエローカードが出た際にどの様な作戦を実施するか再確認をします。

スクラムを組める専門職の選手が退場した場合は専門職の選手と交代して、その代わりに他の選手を退場させるなど、ややこしい入れ替えが行われます。

試合最中は不測な事態が起きたり、プレッシャーで思考が上手く働かない事もあるので、事前にすり合わせをする必要があります。起こり得る様々なシチュエーションを話し合います。

その他ミーティング内容としては、出発までのスケジュールや会場についてからの動きを確認します。

例えば、国歌斉唱で君が代のイントロがあるのか、もしくは直ぐに歌い出すのか、など細かい所まで。

©︎JRFU

ミーティング後はアクティベーションといって、軽く身体を動かすトレーニングがあります。身体をアクティベート、機動されることが目的です。

©︎JRFU

その後プレマッチミール、軽食をとります。主におにぎりやうどん、サンドイッチなど、炭水化物を主食としたメニューです。

©︎JRFU

そして出発前のミーティングがあります。このミーティングではヘッドコーチから最後の言葉が選手に送られます。

戦に向かう前の選手達の顔つきが変わる瞬間です。このミーティングでの通訳はかなり緊張しますね。基本、ヘッドコーチから話す内容が事前に送られてくるので、僕は早めに行って何回も復唱して、どう訳したら1番胸に刺さるか、ワードチョイスをします。

台本通りにはいかないのが当たり前です。ヘッドコーチもその場の空気に応じてアレンジします。

事前に頭に入れた内容と異なったとしても、焦らず、吃らずにしっかりと皆んなの目を見てヘッドコーチの言葉を伝えていきます。

5分ほどで終わるので、すぐにバスに乗り、会場へと向かいます。試合前なので、車内は無言です。

選手達のヘッドホンやイヤホンから音楽が漏れて聞こえます。各々好きな音楽で気持ちを高ぶらせてます。

昔所属していた選手が僕のバンドの曲を聴いてくれていた時はすごく嬉しかったのを覚えています。

©︎JRFU

会場入りしてからは、ヘッドコーチに付き添いながら、必要に応じて通訳をします。選手に声かけする事もあれば、コーチ陣とのコミュニケーションを通訳したりなど。

ウォームアップ前にレフリーチェックがあります。試合を担当するレフリーからの挨拶とレフリングに関する情報が共有されます。主にスクラムについての話になります。国際試合は外国人レフリーが笛を吹くので、ここでも通訳をします。

©︎JRFU

そしてウォームアップが始まります。試合会場の熱気が増してくるのを感じながら、緊張感が高まってくる時間帯です。円陣を組んで通訳をしますが、会場の音楽や歓声、アナウンスで聞こえにくい事があるので、いつも以上に大きな声で通訳をします。

©︎JRFU

ウォームアップ後にロッカールームに戻り、最後の円陣を組んで、気合を入れて、いざ出陣です。

選手との間で円陣を組むと、震えを感じたりします。まさに武者震いですね。えづく選手がいたり、感極まって涙している選手もいます。僕もついつい気持ちが昂ってしまいますが、冷静になって業務に徹します。

©︎JRFU

©︎JRFU

★ありがとうございました!

すごい臨場感ですね!緊張感で空気が張り詰めているのが、容易に想像できます…!!

ラグビー日本代表の裏側!!すごく興味深いです。

まだまだ質問に答えてもらっているので、次回もお楽しみに★

前の記事 記事一覧 次の記事
オープンキャンパス資料請求