DOUBLE LEARNING
ダブル・ラーニング制度

国際アスレティックトレーナー専攻

VOICE自分に英語力をプラスすることで、
どんなアドバンテージがありますか?

須藤 悠太 さんスポーツ外国語学科2年生

2001年、熊本県生まれ。小学校からラグビーをはじめる。桃山学院高校時代のポジションはロック。本校2年次にTOEIC970点超えをマーク。「国際アスレティックトレーナー」専攻を履修し、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー学科試験に現役合格

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海外を拠点に
ラグビーに関わりたい。

入学の決め手は何でしたか。
国立大学も合格していたので悩みました。ラグビーに関連する仕事に就きたいと考えていた中で、履正社なら卒業後のイメージができるし、それがモチベーションになり勉強もはかどるかなと判断しました」
授業はどんな感じですか。
「とても実践的です。『フィジカル・イングリッシュ』ではトレーナーに必要なフレーズをたくさん教わります。『膝を伸ばして』『背中をまっすぐに』など、身体をどう動かすかを指示する会話だったり、『ここにマーカーをこういう風に置いて』といったセットアップで使える表現も学べます」
英語を話す、聞くことへの姿勢は変わりましたか?
『自分の言いたいことをシンプルに言い換えて伝えられるようになろう』と先生から教わり、そうできるよう努めています。映画やドラマも英語字幕で見たり、時には字幕なしでも見られるようになってきています。海外のラグビー番組もポッドキャストでよく聴いています。自分の好きなこと、なじみがあることは特に聴いていて楽しいし、理解も早いと思います」
学生生活で大変なことは何ですか。
「アスレティックトレーナーコースとの両立です。朝の9時半から夜の8時まで授業がある日は、慣れるまで大変でした」
将来の目標は?
「トレーナー、通訳を目指していますが、最終的には海外のラグビーチームのトレーナーになりたいです」

「目標に向かって
着実に進んでいます」

すでにニュージーランドの大学でのインターンが決まっていますよね。
「コロナの状況が良くなれば、4月から1年間、リンカーン大学のラグビーチームのトレーナーを務めます」
どういう経緯で決まったんですか。
「学校からチャンスをいただき、メールでコンタクトした後に面接があり、自分がやりたいことを発表するプレゼンテーションの日が設定されました。その間に申請書類を作ったり、プレゼンの準備をしました。佐藤学科長はじめ先生方にたくさん手伝っていただきました」
履正社を選んでよかった、と感じることはありますか。
「将来の目標に向かって着実に進んでいるという実感があります。なんとなく勉強するのではなく、ゴールに向かって︑今やるべきことが逆算できていると思います」
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小池 隆太 さんスポーツ外国語学科1年生
テニス界の未来のために。

今、日本ではテニスのトッププレーヤーとして活躍している人は数えるほどしかいませんが、彼らは全員英語が話せるし、海外でプレーをしています。なのに、日本のテニスの指導者で英語が話せる人がほとんどいないのはなぜだろう?と思います。
スポーツは世界共通だから、英語で情報を入手してそれを伝達するということが指導者にも求められているはず。将来のテニス界を担う若年層の選手たちのためにも、世界を知る人材になりたいです。

2001年、大阪府生まれ。大阪府立金岡高校出身。高校時代に世界水準のテニスのコーチングに関心を持つ。「国際アスレティックトレーナー専攻」を履修中

特別対談

浅井 空さんアスレティックトレーナー

1998年生まれ、堺西高校出身。2019年アスレティックトレーナーコース卒業後、(株)プロフェッショナルトレーナーズチーム所属。NTTドコモレッドハリケーンズを担当

福原 和真 さんS&C コーチ

2000年生まれ、愛媛・新田高校出身。2021年アスレティックトレーナーコースの「アドバンスコース」でのインターンを経て、NTTドコモレッドハリケーンズに入職

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英語が
大きな鍵になる。

お二人の仕事内容を教えてください。
  • 浅井 アスレティックトレーナー(以下AT)としてケガ対応や予防、リハビリをサポートするほか、コロナ対策など選手が安全にプレーするための管理をしています。
  • 福原 ラグビーのスキル以外のフィジカル面、ウェイトトレーニングや持久力、スピードトレーニングなどを担当するストレングス&コンディショニングコーチ(以下S&C)です。GPSで測定・分析を行い、トレーニング負荷の管理もしています。
チーム内のコミュニケーションはどんな風に行われていますか。
  • 浅井 トレーナー全体の会議やメールなどは基本、英語ですね。選手、スタッフ含め日本以外に南アフリカ、トンガ出身の方がいます。メディカルは4名で、ヘッドATは日本人ですがアメリカで資格を取り、英語でコミュニケーションができる方です。
  • 福原 僕の上司であるヘッドS&Cは南アフリカ出身です。短い会話をしたり、メールでデータを送る際、簡単な報告を添えるときに英語を使いますが、込み入った話をしたいときは通訳の方にお願いします。
  • 浅井 細かい状況やニュアンスが伝わらないとミスにつながるので、通訳の方が頼りになります。
英語の必要性を実感するのはどんなときですか。
  • 浅井 たとえばケガが発生したとき、選手がどこをどう痛めているのかをその場で正確に聞き取りたいです。迅速な対応、判断が求められるなか、言葉がネックで選手に不安を与えることがないよう、もっと英語力を磨きたいと思っています。
  • 福原 僕の場合はGPSで得た選手の測定データを、即座に本人にフィードバックしたい。たとえば1分間にこれだけ走る、という数値目標に対して「あとこれぐらい」「全然(数値が)出ていない」といった状況を英語でス ムーズに伝えられれば、その後のトレーニングの質が向上するからです。
  • 浅井 そういった丁寧なコミュニケーションの積み重ねが信頼につながりますし。

こんなに英語が
必要となるとは。

英語はどのように勉強していますか。
  • 福原 毎日15分程度ですがリスニングをしています。まさかこんなに英語が必要になるとは思っていませんでした。
  • 浅井 僕は先輩に勉強の仕方を聞いたり、仕事で使いそうなフレーズを自分で考えて訳してみたりします。上司の英語や英文メールを参考に勉強することもあります。
  • 福原 学生のうちに、新しく学ぶスポーツや医療の用語を英語でも同時に覚えられたら楽だと思います。今、まさに自分がそういう状況ですが、在学中に国際AT専攻があったら良かったのに。
  • 浅井 プロチームに携わりたいなら、英語は大きなアドバンテージになる。可能性を広げる鍵になるのは間違いないと思います。
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special voice

小松 武史 さんNATA公認アスレティックトレーナー
10代で、気づいてほしい。

野球でもサッカーでも、日本にこれだけ外国から選手が来る時代。でも日本のアスレティックトレーナー資格を持っていて、英語が話せる人を僕はほとんど知りません。
外国の選手は「ここがどう痛い」ということを母国語で説明したいものです。英語が話せて、栄養学や心理学を学んでいたり医療国家免許を持っていたりするトレーナーがいれば、どこも欲しい。業界のある部門では天下を取れるでしょう。それほど画期的なことです。

カリフォルニアスポーツ医学センター代表。NATA公認アスレティックトレーナー、鍼灸師として、米国五輪チームやカーレーサーの佐藤琢磨選手などを担当

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必要なのは、
競技を知ること。

高校時代、どんな将来を思い描いていましたか?
「ずっと野球をしていて、体育系の大学に行くか、医療の道に進むか、どちらにしようかと考えていました。高3の夏に前十字靭帯をケガしてしまい、色んな所で治療をしてもらった中で、鍼灸師、そしてトレーナーという仕事に興味が湧いてきました」
履正社を選んだのはどうしてですか。
「鍼灸の国家免許と、日本スポーツ協会のアスレティックトレーナー資格を同時に取れる学校だったからです。鍼灸学科を卒業後、柔道整復学科にも内部進学し、最終的には3つの資格を取得しました」
3つの資格は、どのようにお仕事に役立っていますか?
「鍼灸の資格は主に治療に、柔道整復の資格は骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の治療や評価に、ATの資格はケガの評価や応急処置、リハビリ、コンディショニングにそれぞれ役立っています。治療やリハビリの幅も広がるので、3つの資格は私の大きな武器になっていると思います」
今の業務の内容を簡単に教えて下さい。
「チームのチーフアスレティックトレーナーとして、応急処置・治療等のメディカル面、トレーニング全般を見ています。監督やコーチ、18人いる選手たちとのコミュニケーションを常に取りつつやっています」
バレーボール選手の怪我の特徴は?
「コンタクトがないので、一発で大きな外傷を負うことは少ないです。ただ、慢性的な腰痛や肩・膝・足首の痛みは多いですね」

できる限り多く
経験しておくべき。

履正社の鍼灸学科の強みはどこにあると思いますか?
「在学中に、アスリートに対して鍼や灸の治療が実際にできるというのはかなり大きな強みだと思います。鍼や灸は、いきなり外にポンと出されて簡単にできるものではありません。やはり自分でケガを評価し、打ってみて反応をみて、患者とコミュニケーションを取りフィードバックをもらって、という経験を積むことはとても重要です。できる限り多く経験しておくべきです」
同じようにメディカルトレーナーを目指す後輩に、メッセージをお願いします。
「トレーナーとして働くために最も必要なことは『競技を知る』ことだと思っています。そのためにも自分から現場に出て様々な人と会い、話を聞いて学ぶ。それが将来の自分の仕事につながっていくはずです」
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リーチ マイケル さんプロラグビー選手
トレーナーに必要なのは、語学力。

私はニュージーランドのプロクラブでもプレーしましたが、個人的に日本人のトレーナーを雇っていました。日本のトレーナーは世界的にも仕事が丁寧で、理論に基づいて処置してくれるからです。
その仕事ぶりを見たチームメイトから「自分も診てくれ」という要望が殺到し、彼はチーム専属スタッフとして契約を打診されました。しかし、英語が話せないためにチャンスを掴めませんでした。
日本人の技術は世界で通用します。あとは語学力だけなのです。

1988年、ニュージーランド生まれ。2013年に日本国籍取得。14年4月ラグビー日本代表主将に就任。19年ワールドカップ日本大会でも主将として初の8強進出に貢献

清水 亮太 さんINAC 神戸レオネッサヘッドトレーナー
日本人が海外で重宝される理由。

オランダとドイツのプロサッカーの現場を見た経験上、日本のトレーナーの仕事は、海外のトレーナーと比べて圧倒的に繊細だと思います。たとえば膝が痛い時に、「膝のお皿の内側辺りがジクジク痛む」というような表現を使う。でも、向こうにはそういう細かい表現がなくて、あくまで「膝の内側が痛い」なんです。日本人のトレーナーが海外で重宝されているのは、「かゆいところに手が届く」深い表現を知っているからという理由もあると思います。

1988年、広島県生まれ。2016年、本校柔道整復学科(医療+AT)を卒業。接骨院や整形外科での勤務、オランダとドイツへの留学等を経て、2018年より現職をつとめる