こんにちは。
アスレティックトレーナーコース教員の部谷(ひだに)です。
先日、履正社100周年記念祝賀会がありました。
一般的に100年続く企業はめったにない、と言われます。
100年続くには、
世の中の変化に柔軟に対応する力や、
逆に、
変わらない力も必要なのだと思います。
状況に応じて、
変化や安定する力、
そう、
これはヒトでいう「体幹」
の特性に似ているように思います。
私は、体幹の強さ、
といえばお相撲さんを思い浮かべてしまいます。
先日、医事の仕事で両国国技館へ行きましたが、
強い力士は柔らかく動く中で、
必要な時に体幹を安定させるのがうまいなー、
と見ていました。
さて、
では体幹の強さとは、
いったい何を指すのでしょうか。
例えば、
どんなに強い脚をしていても、
その力に見合った体幹の安定性がなければ、
十分に地面に力を「伝えれず」、
その力でカラダが曲がってしまいます。
また、
体幹の筋肉をずっと固めすぎていてたら、
それは力みとなり、
結果、
手足の加速の妨げになってしまうでしょう。
そういう意味では、
強い体幹とは、
必要な時に、
安定性が得られることなのです。
では、
この体幹の安定性はどのように作られるのでしょう。
体幹トレーニングと言えば、
「腹筋!背筋!」
と思うかもしれません。
もちろん、
外側の腹筋や背筋は大切です。
しかし最近では、
もっと奥にある筋肉群が作る、
お腹の中の圧が重要である、
ということがわかっています。
武道の達人は「丹田」
というへそ下の集中について、
皆さん口をそろえて重要と言われます。
実は、
解剖学的にもこのあたりが重要です。
この丹田付近がなぜ重要か、
というと、
このあたりの奥を中心として、
4つのインナーマッスルがお互いに押し合って圧を高めるからです。
この筋肉が作る圧を腹腔内圧といいますが、
これが必要な時に高まることで体幹が筒状に固まり、
背骨を安定するのです。
腹腔内圧が高まった状態とは、
ペットボトルでいうと、
水がパンパンに入っている状態です。
このパンパンのペットボトルは、
しなりはありますが、
外からの力でつぶれることはありません。
しかし、
蓋がしっかし閉まらなかったり、
底に穴が開いていると水は抜け、
筒は弱くなります。
これは筒を構成する4つの筋肉のどれか、
もしくは複数が機能していないといえます。
ヒトは重いものを持つ瞬間に「フン!」
と体幹の4つの筋肉の押し合いで筒の「圧」を瞬間的に高め、
体幹を安定させ、
手や脚の力を使うことができるようになっているのです。
なので体幹が強い、
いうのは、
瞬間的にこの腹腔内圧を高め、
同時に腹筋や背筋群を協力して使うこと、
といえます。
何事も見た目より機能です。
割れた腹筋を目指してしまいがちですが、
優れた体幹機能を得るためには、
腹腔内圧のトレーニングが必要といえるでしょう。