こんにちは。
アスレティックトレーナーコースの部谷(ヒダニ)です。
みなさんのカラダは柔らかいですか?
それとも硬いですか?
「前屈しようにも床まで全然手か届かない!」
「開脚しようにも硬くて少ししか脚が開かない!」
というお声をよく聞きます。
なので、
ちまたには、
これをやったらカラダが柔らくなる!
という情報が多く出回っています。
でもその前に、
カラダの硬さには何が関わっているかご存知でしょうか?
我々アスレティックトレーナーは、
その原因が何かを考えてアプローチしていきます。
「カラダが硬いのは筋肉が硬いに決まっているでしょ!!」
となるかもしれません。
それがそうとも言い切れないのです。
実は関節の動きを制限する割合は、
関節包47%、筋肉41%、腱10%、皮膚2%といわれております。
そう、
カラダの硬さを考える時、
原因は筋肉だけでない、ということです。
ちなみに、
カラダの硬さの原因になりうるものとして、
筋肉は2番目です。
1位は関節包という関節を包んでいる袋です。
主な役割は関節が脱臼しないようすることです。
つまり、
本来は靭帯とともに、
関節が曲がり過ぎないようにする役割がある組織です。
この関節包、
筋肉と同じで動かさないと硬くなり、
動かし辛くなったり、
時に痛みがでることもあります。
いつも同じ姿勢で座っている、
ほとんど運動しない、
という人は筋肉だけでなく、
関節包も本来の柔軟性を失っているのかもしれません。
逆に、
もし関節包が本来ある柔軟性を超えた場合、
それは筋肉が柔らかいのではなく、
関節がルーズであるということで、
良いこととは言えません。
また、
関節包は本来の柔軟性を超えて伸びきってしまうと、
元にはもどりません。
英国ロイヤルバレエ団で、
プリマ(主役)になった人と、
なれなかった人の違いを調査した研究があります。
結果は、
柔軟性が過度にある人は怪我が多く、
プリマになる確率が低い、
だったそうです。
これは本来関節を守る役割の、
関節包を過度に伸ばしてしまったからかもしれません。
ちなみに関節包は生まれつき個人差が大きい組織です。
硬い人は男性に多く、
ゆるい人は女性に多いという傾向があります。
まわりにもいませんか?
ストレッチしても体中の関節がカチカチの男性、
逆にストレッチしないのにグニャーと柔らかい女性が。
これは筋肉の柔軟性ではなく、
関節包が「頑丈過ぎる」か、
「ゆるい」からです。
一般的に、
カラダが柔らかいのが良くて硬いのが悪い、
というイメージがあるかと思います。
しかし柔らかければ柔らかいほど良い、
ということはないのです。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、ですね。
もちろん多くの一般の人は、
運動不足やストレッチ不足で、
筋肉も関節包も本来の柔軟性を失っている、
というのが現状であるかと思います。
そういう方々にとって、
ストレッチは筋肉の柔軟性を戻すのに有効です。
ただ、カラダの硬さを考える際、
筋肉だけでなく、
関節包が硬いかゆるいかも考えることが必要なのです、というお話でした。