全国から帰ってきたサッカーコースの選手たちの治療です。
鍼灸の学生には「東洋医学的な病態把握および治療を行う」
というお題を提示して実習にあたってもらいました。
東洋医学的な診断や治療は、痛みと直接関係のない質問や
痛みのある場所から離れた場所を触って悪いところを
東洋医学の知識を使って推定し治療を行います。
頚が痛くて振り向くのが難しい、という選手に対し
今回使ったツボは手の先の方にあるツボ。
この他、股関節の痛みを訴える選手に対して
足の先の方にあるツボを使ったり、
腰が痛いという選手にふくらはぎのツボを使ったり、
東洋医学的な知識を使って痛みから離れたところに
治療を行っていきます。
痛みから離れたところから治療を行えるということは
傷めてすぐの腫れや熱感が強く、安静にするのが良しと
される時期からでもその場所を触らずに治療が行える
ということでもあります。
痛みがある場所から離れた場所に鍼を刺して
症状が楽になるという経験は選手にとって
不思議な経験になりますし、
鍼灸の学生にとっても授業で学んだことが実際に
再現される良い経験となっています。
現代医学的な考えを用いた治療と、東洋医学的な治療は
どちらがいいという事ではなく、シーンによって
使い分けられるようどちらもの治療法をたくさん実践して
治療の引き出しを増やしていってほしいと思います。